申告調整による減価償却資産の損金算入

 税務における減価償却費については、償却費として損金経理をした金額のうち、税法上の償却限度額に達するまでの金額を損金に算入することととされています。「償却費として損金経理をした金額」には,確定した決算において「減価償却費」科目を用いて費用計上した金額のほか、例えば圧縮限度超過額を超えて費用処理をした部分の金額や、修繕費に計上したが資本的支出に該当する部分の金額等も、そこに含まれることとされています( 法基通7-5-1 )。

 そこで、例えば「外注費」勘定で費用処理されていた金額のうち、減価償却資産として資産計上が必要な物品を税務調査などで指摘・修正となるときは、そのような費用処理をした事業年度では、その全額の損金算入が認められないこととされます。

 ただし、このような通達の定めの要件を満たさない場合であっても、あらかじめ法人税申告書の別表において申告調整をしている時には、その申告調整により損金算入した金額は、償却費として損金経理された金額に該当することとされています(法基通7-5-2)。このような場合には、上記に述べたような損金経理をした勘定科目の制約なくして損金算入が可能になってきます。

2024/10/6 税理士小林俊道事務所